SKYLINE GT-R (BNR32)


憧れ続けていた車。でも、遠い存在だった。
初めてそのシートに座ったのは、昼休みに職場の仲間と行った銀座の日産ショールーム。一見優雅なシルビアとは正反対のスパルタンな室内、太いステアリング、冗談みたいに重いクラッチ(実はエンジンがかかると踏力補助装置のおかげで軽くなるとは後で知ったのだが)、乗るのを拒まれているかのような威圧感を感じた。

・・・それから3年ほど経ち、当時の愛車シルビアの車検が近づいた頃、仲間がBMWを買った。「よく買えるなぁ」と思って、支払計画を聞いたところ、それほど無理はなさそう。そうか、頭金さえ何とか頑張れば、月々の支払いはある程度無理のない額まで落とせるのか・・・・・。そして閃いた。もしかして、俺もほんとはGT-Rに手が届くのでは・・・?ちょうど私生活にも色々あって、環境的には購入を妨げる要素はない・・・・

・・・そして2ヶ月後、夢は現実となった。

今でこそ、280馬力規制によるライバル車の増加でカリスマ性が失われた感があるが、当時のGT-Rといったら、性能がズバ抜けているだけでなく、背景にあるグループAレースでの圧倒的な活躍もあって、本当に別格の存在だった。こいつに乗って、北は仙台から南は鈴鹿まで、グループAレースを観戦に行き、血湧き肉躍らせたものである。
今でもR32GT-Rだけは、心の中では特別な存在である。

R32GT-Rの好きな点のひとつに顔がある。
ニスモ仕様にして、ナンバープレートをちょっと脇にズラしただけでこの凶悪な面構え。人間で言えば、ゴルゴ13のように鋭い目つき。たまりませんね。
ちなみに、横にいるのは私ではありません。仲間のトクさんです。夏休み旅行に行って、帰る日の前の晩にガソリン泥棒にタンクを空っぽにされ、助けを待っているの図でした(こういう車に乗ってるとイタズラが多いのが悩みのタネです)。

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